金精峠
いわき市の友人を訪ねる旅。
十数年前の10月初旬頃。
前の日にどこに泊まったかも覚えていないが、長野県から群馬県へ向かう途中。
その日、いくつかの峠を越え、いわき市に向かっていた。
途中、道路の脇に積もった雪が気になった。
九州ではあり得ない、この時期の積雪。
地図を見ると、坤六峠を越えさらに金精峠へと向かう道。
300kgを超える鉄の塊のようなバイクにはタフなワインディングだった。
峠に近づくにつれ、残雪は道路の大部分を埋めるように広がり、ついには全面シャーベット状となった。
両足で路面を探りながら、後続車に道を譲りながら、歩くように進む。
かなりの時間を費やし、やっとの思いで抜けたトンネル。
文字どおり峠を越えた先の、夕日に輝く中禅寺湖が眩しかった。
疲労困憊だが、達成感で笑みが溢れる。
だがしかし、目的地まではまだ200kmはある。
ひたすら高速を飛ばし、友人宅にたどり着いた時にはすっかり夜の帳が下りていた。
お互いに笑顔で再会を喜んだ。
土産話は、山ほどある!
旅はつづく